アメ車は故障が多くて壊れやすい?道端で急に止まる?壊れやすいと言われる理由をまとめてみた


僕の周りの知人やお客様からいただく相談で圧倒的に多いのは、

アメ車は壊れやすいのか?というものです。


いまだにアメ車のことを勘違いされている方も多いので、

ちょっとこの場を借りて、話していこうと思います。



アメ車=壊れやすいは嘘


結論から言えば、

“アメ車だから壊れやすい”

ということはありません。


実際に友人やお客様からの話を聞いていると、

アメ車こと、アメリカ車が壊れやすい

というイメージを持っている人は少なくありません。


なぜ、日本では、

「アメ車 = 壊れやすい」

というイメージを持つようになったのか?

その主な理由を3つまとめてみました。



メーター改ざん車両が市場に出回った

おそらく、アメ車が壊れやすい

と考えていらっしゃる方が少なくない背景としては、

1980年台~1990年台の輸入車ブームとなった際、

どさくさにまぎれて市場に出回っていた

メーター改ざん車両が原因の1つと考えられます。



信じられないかもしれませんが、

既に20万キロ、30万キロも走っている車のメーターを

まだ1万キロしか走っていないかのようにメーターを改ざんし、

輸入車を販売していた悪質な業者がいたのです。

(※補足 アメリカの場合、キロではなくマイルになります。)

新車登録から、1万キロしか走っていないのに、

電気系統やメーターが壊れたりはしません。

でも、実際に走行していた距離が20万キロにも到達していれば、

それなりに交換が必要な部品が出てきますよね。



ちなみに、

メーター改ざん車両が日本に出回った主なパターンとしては、


1.アメリカから輸入する際、日本の業者が

メーター改ざんされていることに気が付かずに自動車を仕入れて販売した


2.アメリカから輸入する際、日本の業者が

メーター改ざんされていることを知りながら仕入れて販売した


というようなケースがあります。



1980~1990年台の輸入車ブームの時代では、

輸入車を仕入れれば売れた時代なので、

「とにかく、安く仕入れて販売するぜ!」

という業者も少なくありませんでした。



なので、少しでも安く仕入れるために、

メーター改ざんされていると知りながら

自動車を仕入れていた業者もいます。


当時の話を、僕の店にいた先輩方に聞くと、

他の店でアメ車を購入されたアメ車オーナーさんから、

「車を点検してほしい」

という依頼も少なくなかったようです。



このような時代背景を

リアルタイムで生きていた人々からすれば、

「アメ車 = 壊れやすい」

という図式が根強くなるのもうなずけますね。



また、そういった

アメ車は壊れやすいというイメージを持った

お父さん、お母さんから影響を受けて育った子供の世代も

「アメ車って壊れやすいんだ」

というイメージを自然と持つようになるわけですね。



ちなみに、ここ数年造られているアメ車に関しては、

基本的に、メーター改ざんができません。


実は、最近のアメ車は、

コンピュータ制御されている車両がほとんどで、

各箇所がコンピュータで連動しているため、

基本的に、メーターだけの数値を変更する

という行為ができなくなってるんです。



今は、アメ車に限らず、

日本やドイツ、世界各国で、

コンピュータ制御の車が増えていますね。





日本車と比べるのは間違い


アメ車は壊れやすいというイメージを持ってる日本人が多いのは、

「“(日本車と比べて)”、アメ車は壊れやすい」

という考え方をする人が多いことも原因の1つです。


あえて言葉には出さないと思いますが、

僕ら日本人の頭の中では、

「日本車」がスタンダードになっているわけです。


デザインやスピード、ブレーキ性能など、

各項目ごとでは輸入車の評価が高いかもしれませんが、

車両のスペックや安全性能、コスト等の様々な点を総合的に考えれば、

日本車の右に出るものはありません。


世界的に見てもトップクラスの完成度を誇る日本車なわけですから、

日本で車を維持することを考えれば、

日本人が日本の環境に合わせて作った日本車が

一番適しているのは言うまでもありません。



そもそも、輸入車と日本車を比べちゃダメというか、

比べること自体がナンセンスなんです。


ご存じの方も多いと思いますが、

日本車は、特殊な日本の四季、気候、道路事情等の環境に合わせて

何事にも慎重な日本人が作った車なので、

日本で壊れにくいのは当たり前。

特殊な環境条件が揃っている日本で壊れにくい日本車は、

アメリカやヨーロッパなど他の国で走らせても壊れにくいので、

海外でも日本車が人気なわけです。

(もちろん、例外もあります)



対して、アメ車は、

細かいことを気にしないアメリカ人が

アメリカという雄大かつ、

わりと安定した気候が続く国で作った車です。



こうして作られたアメ車を、日本に持ってきて、

四季がはっきりしていて気候の変動が大きく、

止まったり走ったりが多い道路で走らせたら

アメリカで走らせるよりも車に対しての負荷やストレスは大きいです。



車は、その生産国の文化や伝統を表す象徴でもあるので、

「日本車は日本車、アメ車はアメ車、ドイツ車はドイツ車」

と、それぞれ別の車という認識で見る必要があります。


なので、日本車を見る虫メガネで、海外の輸入車を見れば、

「日本車と比べて、電気系統が弱い」

「日本車よりもエアコンの効きが弱くなるのが早い」

というような思いを抱くのは当然ですね。


だって、日本という環境で使うことを想定して作った

日本の車や日本のパーツを日本で使えば、

丈夫で長持ちなのは、当たり前なので。



ちなみに、自動車以外の海外製品で

日本の環境の影響を受けやすいものとして、

ルイ・ヴィトンの財布が挙げられます。

ルイ・ヴィトン発祥のフランスは1年を通じて気温が穏やかで、

寒すぎることも暑すぎることもありません。



そんな気候の下で生まれたルイ・ヴィトンの財布は、

日本のはっきりとした四季の影響を受けると、

財布の内張りがベタベタしてくるんです。


(※ここでの影響は一例です。)

なので、海外製品を日本で扱おうと思ったら、

日本製品と同じように考えるのではなくて、

「製品それぞれ違うもの」

という認識で向き合っていく必要があります。





アメリカ人との考え方の違い


アメ車が壊れやすいと思う方が多いのは、

アメリカ人との考え方が違うことも理由として挙げられます。


繰り返しになりますが、

アメ車は、長距離かつ高速運転が多い

雄大なアメリカで走らせることを前提に

おおらなかなアメリカ人が作った自動車です。



そして、忘れてはいけないことがもう一つ。



アメリカ人は、基本的に

「壊れたら交換すればいい」

という考え方を持っているということ。

ここが日本人との大きな違いですね。


基本的に日本人は、どんな物でも

「できるだけ長く使えるもの」

を選ぶ傾向があります。



つまり、1つのものをできるだけ長く使おうとしているので、

交換することを前提に考えていません。


ですので、日本車からアメ車に乗り換えたばかりのユーザーさんからは、

「この間の車検の時に交換したのに、また交換するんですか?」

と驚かれるわけですね。


アメリカは日本と違って、長距離を高速で走ることが多いため、

3年間で走行距離が10万キロを超えることは普通にあります。


(ちなみに、僕が昔、走ってた頃も1年間で3万キロは乗ってました)


そんな、アメリカの道路事情も考慮し、

自動車の各部品は交換を前提に作られているんです。


アメ車に限った話ではないですが、

定期的に部品を交換しておけば、

安心して長距離も走りやすいですからね。


(ちなみに、通勤で片道50キロというアメリカ人もいます。)


アメ車を理解する上で、

日本 「できるだけ長く使いたい」

アメリカ 「壊れたら交換すればいいじゃん」

こんな具合に考え方から違っていることを知っておく必要はありますね。



それと、これは僕の勝手な解釈ですが、

日本とアメリカの物づくりの考え方は、

・日本は、各性能を安定させ、長持ちさせる物作り

・アメリカは、瞬間的なパワーを重視した瞬発力重視の物作り

このようなイメージがありますね。




まとめ

まとめに入ってきます。

今回のアメ車は壊れやすい?というテーマですが、

アメ車が壊れやすいというよりかは、

アメ車に対する認識や考え方の違いによるところが大きいと僕は考えています。



一言に壊れやすいといっても、

5万キロでこの部品の交換が必要なの?という人もいれば、

5万キロも使えたぜラッキー!という人もいるわけで、

人によって基準が違うんですよね。


中には、壊れることを喜び、

修理することが楽しく、愛おしく感じる人もいるので、

壊れる = ダメ

というのもちょっと違うかなと思います。







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